このような疑問を持ったことはありませんか?
この疑問に検査を担当する診療放射線技師の私がお答えします。
本記事の信頼性
・私は診療放射線技師歴8年でMRIの撮影経験があります。
・MRI検査は何度も受けた経験があります。
本記事の対象
・MRIのうるさい音について知りたい方
・音に対する対策を知りたい方
MRI検査がうるさい理由と対策【原理をわかりやすく説明】
うるさい音の原因は、ある部分の振動だった!
そもそもMRI検査とは?
MRIとは、Magnetic Resonance Imagingの略で、日本語では磁気共鳴画像といわれます。
MRI検査では巨大な磁石の中に入り、磁場の力で体の臓器や血管を映し出します。
原理としては、強い磁石と電磁波を利用して、撮影する部位の細胞内の水素原子の向きを調整し、その水素原子の動きから発生する微量な電磁波を読み取り、画像にします。
脳や、脊椎、四肢、また骨盤内の子宮、卵巣、前立腺等の病変に関して優れた描出能があります。
また、呼吸を止めたり、呼吸に合わせて撮影を行うことで、腹部の肝臓、膵臓、腎臓などを綺麗に撮影できます。
さらに、乳房では造影剤を利用する検査がガイドラインで推奨グレードAで強く勧められており、他では正確に診断できなかったものが見つかることもあります(乳がん発症ハイリスクグループに対する乳房MRIスクリーニングに関するガイドラインver.1.0)
MRI検査がうるさい理由は磁石の振動です
MRI検査がうるさい理由は、MRI装置内の「傾斜磁場コイル」といわれる部分が振動することによって発生する音が原因です。
MRIには、「静磁場コイル」と呼ばれる大きな磁石(1.5Tや3.0Tというよく見る言葉は、この磁石の磁場の大きさ)と、先ほど出ました「傾斜磁場コイル」があります。
この「傾斜磁場コイル」に電流が流れるとローレンツ力(理科の授業のフレミング左手の法則で出てきましたが覚えていますか?)が働き、周りの静磁場コイルと反応して振動が起き、うるさい音がなります。
分かりやすい物で例えると、スピーカーです。
スピーカーもボイスコイルに電流を流してローレンツ力が働き、周りの磁石と反応することで振動が起きます。この振動でコーン紙を揺らすことで音を発生させています。
音色は撮影の内容によって様々
検査中に聞こえてくる音は途中で変わったりするかと思います。
「ガッガッガッ」
「ガーガーガー」
「ゴンゴンゴン」
「ビービービー」
まるでEDMです
すみません、そこまで心地良い音では無く、不快に感じることが多いかと思います。
自分は好きです
実は坂本龍一や宇多田ヒカル、布袋寅泰、西川貴教もMRIの音が好きなようです。
各製造メーカー、施設の対応について
MRIのメーカーにはPhilips(オランダ)、SIEMENS(ドイツ)、GE(アメリカ)、CANON(日本)、日立(日本)などがありますが、それぞれ静音化技術の開発を行っており、ヘッドホンを提供しているメーカーもあります。
しかし、そのようなものはオプション料金が掛かってしまうため、大病院以外は導入していないところも多いです。
MRI検査を受ける際のおすすめの対策!ただし限界も
そこで私がおすすめするのは耳栓です(←普通な回答!)
病院でも用意してくれているところもあるのですが、費用が掛かるとのことで病院においてないところや、あるけど患者様から聞かれないと渡さない病院もあります。
そのため、雑音や大きい音が苦手な方は自分で準備していくといいでしょう。
水洗いもでき切り替えし使えて、ケースもついてます。
柔らかくて付けた感触が良好です。
対策の注意点!
MRIは磁石を利用して撮影を行うため金属は持ち込めません。
そのため、下のようなデジタル耳栓は使えません。
機能はとても優れているんですけどね。
また、病院にもよりますが、呼吸を止めたり、声掛けを行いながら撮影を行う腹部の撮影などで、声が聞こえるように耳栓を控えてもらうこともあります。
その時は、担当の技師さんの指示に従ってください。
MRI検査がうるさい理由と対策【まとめ】
MRI検査がうるさい理由は、MRI装置内の「傾斜磁場コイル」といわれる部分が振動することによって発生する音が原因でした。
その対策として耳栓を準備しておくとよいでしょう。
今回の記事がどなたかのお役に立てれば嬉しいです。