本記事の信頼性
筆者の私もマイホームを購入して住宅ローン控除の確定申告を行った経験があります。その際の経験を、最新の情報と合わせてお伝えしたいと思います。
本記事の対象
・住宅ローン控除について知りたい方
・マイホームを購入検討中の方
・マイホームを購入して確定申告を行う方
住宅ローン控除の仕組みについて詳しく知りたい方は下の記事をご覧ください。
住宅ローン控除の確定申告における記入例と必要書類について
まずは住宅ローンの確定申告に必要な書類についてお伝えいたします。
住宅ローン控除の確定申告における必要書類
書類名 | 入手方法 |
---|---|
①確定申告書 | 国税庁サイトからダウンロード |
②(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | |
③源泉徴収票のコピー | 年末年始の時期に勤務先より受け取ります |
④住宅ローンの年末借入金残高証明書 | 借入時期や金融機関にもよりますが10月~1月下旬までには郵送されます |
⑤土地や建物の登記事項証明書 | 法務局もしくはインターネット(登記ねっと)から請求し、窓口受け取りまたは郵送で取得する。登記時に司法書士から受け取っていることもある。 >>ネットでの請求方法はこちら |
⑥土地の不動産売買契約書のコピー | 不動産会社または建築会社より受け取ります |
⑦建物の建築工事請負契約書または売買契約書のコピー | 建築会社または不動産会社より受け取ります |
⑧本人確認書類の写コピー | 個人番号カードのコピーまたは通知カードと運転免許証・パスポート等のコピー |
※⑨長期優良住宅建築等計画の認定通知書のコピー | 建築会社または不動産会社より受け取ります |
※⑩住宅用家屋証明書のコピー | |
※⑪増改築等工事証明書のコピー | 建築会社より受け取ります |
※⑫その他、補助金等の証明書 | 各補助金の給付元 |
※は条件によって必要となる書類です。
つづいて、各書類について解説します。
①確定申告書
・国税庁のホームページのpdfを印刷して手書きを行うか、インターネットで作成を行います
・会社員等給与取得者の場合は確定申告書A、個人事業主の場合は確定申告書Bを使用します
②(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
・国税庁のホームページのpdfを印刷して手書きを行うか、インターネットで作成を行います
③源泉徴収票のコピー
・年末年始の時期に勤務先より受け取ります
・勤務先で行った年末調整の情報を確定申告でも利用するために必要です
・確定申告の書類へ記載する際に必要となります
・提出は不要です
・ただし、5年間は保存の義務がありますので大切に保管しておきましょう
④住宅ローンの借入金の年末残高等証明書
・借入時期や金融機関にもよりますが10月~1月下旬までには郵送されます
・住宅ローン控除に必要な「住宅ローンの年末借入金残高」と「償還期間」の確認のために必要となります
⑤土地や建物の登記事項証明書
・法務局もしくはインターネット(登記ねっと)から請求し、窓口受け取りまたは郵送で取得します
・登記時に司法書士から受け取っていることもあります
・住宅ローン控除の条件に当たる「床面積」や、控除額に関わる土地や建物の「持ち分(連帯債務など)」、金融機関による「抵当権の設定」などを確認のために必要となります
【料金】
・法務局窓口で請求、受け取り:1通600円
・インターネット請求、郵送:1通500円
・インターネット請求、法務局窓口受け取り:1通480円
⑥土地の不動産売買契約書のコピー
・土地の購入を行った不動産会社または建築会社より受け取ります
・住宅ローン控除に必要な「土地の購入金額と購入日」を確認するために必要となります
・「購入金額、購入日、収入印紙」のあるページは最低限コピーしましょう
⑦建物の建築工事請負契約書または売買契約書のコピー
・建物の売買を行った建築会社または不動産会社より受け取ります
・住宅ローン控除に必要な「建物の購入金額と購入日、建築工程や条件」を確認するために必要となります
⑧本人確認書類の写コピー
・個人番号カード(マイナンバーカード)のコピー
または
・通知カードと運転免許証・パスポート等のコピー
※⑨長期優良住宅建築等計画の認定通知書のコピー
・建築会社または不動産会社より受け取ります
・認定長期優良住宅の特例を利用する場合に必要となります
※⑩住宅用家屋証明書のコピー
・建築会社または不動産会社より受け取ります
・認定長期優良住宅の特例を利用する場合に必要となります
・長期優良住宅の条件で家が建てられたかの証明を行うために必要となります
※⑪増改築等工事証明書のコピー
・確認申請が必要ない小規模なリフォーム増改築等でリフォームを実際に行ったか、もしくはリフォーム減税の対象になるような工事を行ったか、について証明する書類になります
・バリアフリーリフォーム及び省エネリフォームの投資型減税(自己資金)又はローン型減税(借入金)や、住宅ローン減税を受けるために必要となる書類です
※⑫その他、補助金等の証明書
・すまい給付金
・浄化槽設置整備事業補助金
・移住・定住促進補助金
などの給付金、補助金に関しても一時所得として所得税の課税対象となるため、申告を行います
通帳と印鑑
・還付金を受け取る口座の通帳
・印鑑(シャチハタ以外)
も必要となりますのでご用意お願いします。
住宅ローン控除の確定申告における記入例
住宅ローン控除の確定申告における記入例についてお伝えしていきます。
ここでは、おすすめするインターネットでの文書作成を行っていきます。
作成される文書は、「確定申告書」と「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」です。
今回は下記の条件をの記入例として作成いたします。
・会社員で年末調整済み
・消費税8%の時にマイホームを購入
・すまい給付金あり
・浄化槽設置整備事業補助金あり
・移住・定住促進補助金あり
・夫婦連帯債務
・2歳の子一人
・ネットで作成し、郵送
確定申告書の作成
国税庁の確定申告書等作成コーナーのページを開き、「作成開始」をクリックします。
提出内容の選択
3つの提出方法の中から「印刷して提出」をクリックします。
OS、ブラウザ、PDF閲覧ソフトの推奨環境が表示されます。対応しているかご確認ください。確認後、「利用規約に同意して次へ」をクリックします。
「令和元年分の申告書等の作成」を選択して、表示された「所得税」をクリックします。
年末調整済みの会社員を想定しているので、「給与・年金の方(給与・年金専用)」の「作成開始」をクリックします。
事前に用意する資料が表示されるので確認を行い、「次へ」をクリックします。
入力を行っている方の生年月日を入力してください。その後「入力終了(次へ)」をクリックします。
ご自身の所得の種類を選択してください。今回は給料のみをもらっている会社員を想定しているため、「給与のみ」にチェックをいれ、「入力終了(次へ)」をクリックします。
ご自身の給与支払者の数と年末調整の状況を選択してください。今回は「給与の支払者(勤務先)は1か所のみである」と「年末調整済みである」にチェックをいれます。
住宅ローン控除を行う際は「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除」にクリックを入れて「入力終了(次へ)」をクリックします。
※年末調整で医療費控除忘れていた場合や、ふるさと納税(寄付金控除)など該当する項目がある場合はそれぞれチェックを入れてください。
源泉徴収票の入力
「入力する」をクリックします。
源泉徴収票を元に「支払金額」、「所得控除の額の合計額」「源泉徴収税額」を入力します。
「住宅借入金等特別控除の額の記載」は「なし」を選択します。
「支払者」に勤務先の「住所又は所在地」と「氏名又は名称」を記入して、「入力内容の確認」をクリックします。
入力した内容と源泉徴収票の内容に間違いが無いことを確認して、「次へ進む」をクリックします。
「入力終了(次へ)」をクリックします。
※医療費控除やふるさと納税がある方はここで入力となりますが、今回は省略いたします。
税額控除等の入力 (特定増改築等)住宅借入金等特別控除
「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除」の「入力する」をクリックします。
この(特定増改築等)住宅借入金等特別控除が住宅ローン控除のことになります。
住宅の取得形態を選択します。今回は住宅ローンで土地を購入した後に住宅を購入しているので、2つ目にチェックをいれます。
土地を購入した年月日:土地の全部事項証明書の所有権移転の受付年月日
住宅に居住を始めた年月日:住民票の移動日または居住開始日
を入力して「次へ進む」をクリックします。
各質問に「はい」「いいえ」で答えていきます。
7の「翌年分以降に年末調整又は確定申告でこの控除を受ける際に利用する書類が必要ですか?」については必ず「はい」を選びましょう。
「はい」を選ぶことで次回からの住宅ローン控除を勤務先の年末調整で行ってもらうための書類である「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書 兼 証明書」が10月頃に送られてきます。
残りの9回分(消費税10%でマイホームを購入した方は12回分)がまとめて送られてくるため紛失しないようにしましょう。
必要書類と適用要件の一覧が表示されますので、確認しておきましょう。
確認を終えたら「次へ進む」をクリックします。
「所得対価」「消費税」「床面積」「持ち分」について記載します。
「所得対価」:売買契約書などを元に入力します。
「消費税」:消費税8%での購入の場合は「はい」、10%の場合は「いいえ」
「床面積」:登記事項証明書に記載された床面積を小数点第2位まで入力します。2階、3階とある場合は合計の面積を入力します。
「持ち分」:登記事項証明書に記載された持ち分を記載します。(連帯債務など)
土地に関しても同様に入力します。
補助金等に関する事項の入力
住まい給付金などを受け取っている場合にはこちらの入力を行います。
まず、「補助金等に関する事項を入力する」をクリックします。
すまい給付金の場合は、「交付対象」の「家屋」を選び、「補助金等の額」にすまい給付金の「給付基礎額」を入力します。
給付基礎額とは持ち分などで減額される前の金額になります。
補助金の入力が終わったら、「次へ進む」をクリックします。
住宅ローン年末残高の入力
「年末残高証明書を入力する」をクリックします。
借入金の年末残高等証明書に記載されている情報を元に「住宅借入金等の内訳」「年末残高」「当初金額」「連帯債務者の記載があるか」を選択・記入して、「入力内容の確認」をクリックします。
入力内容に問題が無ければ「次へ進む」をクリックします。
所得対価の額と持分が表示されます。
借入金等の状況の入力を行います。
ただし、オーバーローンなどの場合は下に示すように負担割合合計が100%にならなくなってしまいます。そのため、前項の「各共有者の自己資金負担額」の値を調整して、登記事項証明書に記載された持ち分と同じになるように調整します。
「各共有者の自己資金負担額」の値を調整して、負担割合合計が100%になれば大丈夫です。
土地と建物が3/4と1/4など同じ割合で持ち分があれば、75%と25%などきれいな数字になります。
上記の例は土地は夫のみ、建物は夫が70%、妻が30%であるため、73.52%と26.48%と半端な数字になっています。
控除の種類を選択します。今回は認定住宅ではないとして、「住宅借入金等特別控除」を選択して、「次へ進む」をクリックします。
入力内容の確認を行い、「次へ進む」をクリックします。
すると、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の控除額が 179,700円 と表示されています。これが控除される金額ですが、これが全て還付として戻ってくるわけではありません。
「入力終了(次へ)」をクリックしてみましょう。
ここで表示された金額 96,700円 が還付される金額になります。
上記との差額179,700-96,700=83,000円が住民税から減額されることになります。(例年、6月~翌5月まで)
住民税等に関する事項の入力
「16歳未満の扶養親族の有無」「別居の控除対象者配偶者・控除対象扶養親族の有無」にチェックを入れて、「あり」に入れた場合は右の「~入力する」をクリックします。
今回は2歳の扶養家族がいるとして進めます。
「扶養家族の氏名」、「続柄」、「生年月日」を入力して、「入力終了(次へ)」をクリックします。
「入力終了(次へ)」をクリックします。
還付金の受取口座、住所氏名、マイナンバーの入力
受取口座の該当する項目にチェックを入れます。
「金融機関名等」「本支店名」「預金種類」「口座番号」を入力します。
住所情報を入力します。
住所情報に合わせて自動で提出先税務署が表示されます。提出日が決まっていたら入力します。
※「提出年月日」「整理番号」は空欄でも構いません。
「氏名」「性別」「電話番号」「世帯主の氏名」「続柄」を入力します。
「次へ進む」をクリックします。
※作業データが消えないように「入力データを一時保存する」をクリックして、ファイルを保存してもいいと思います。
マイナンバーの入力を行い、「次へ進む」をクリックします。
書類の印刷
全ての項目にチェックが入っていることを確認して、「帳票表示・印刷」をクリックします。
※確定申告書Bで作成されますが、確定申告書Bで提出しても問題ありません。
国税庁 よくある質問Q 申告書Aではなく申告書Bが表示されるが、そのまま提出(送信)して大丈夫ですか?
PDFで書類が出力されますので全て印刷しましょう!
「次へ進む」をクリックします。
「入力データを保存する」をクリックします。
「入力データをダウンロードする」をクリックします。
「r1syotoku.data」というファイルがダウンロードされます。
来年の確定申告をする際に再利用できるので大切にとっておきましょう。
印刷された書類と提出書類
印刷された書類について提出が必要な書類についてご説明いたします。
①確定申告書B 第一表
「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除」と「還付される税金」に正しい金額が記載されていることを確認して、右上の氏名欄の㊞に押印を行い、税務署に提出しましょう。
②添付書類台紙
本人確認書類をこちらの台紙に貼り付けて、税務署に提出しましょう。
③確定申告書B 第二表
「特例適用条文等」に居住開始日が記載されます。税務署に提出しましょう。
※医療費控除を受ける場合は「支払医療費等」と「保険金などで補填される金額」、ふるさと納税を受ける場合は「寄附金控除」「寄付先の所在地・名称」「寄附金税額控除(都道府県、市区町村分(特例控除対象))」の欄が記載されます
④(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
住宅ローン控除の計算明細書の一面です。税務署に提出しましょう。
また、9控除証明書の交付を要しない場合の項目が必ず空欄であることを確認しましょう。
⑤(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算
住宅ローン控除の計算明細書の二面です。税務署に提出しましょう。
⑥連帯責務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書
連帯責務の場合に出力される書類です。税務署に提出しましょう。
⑦(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 住民税用 一面
住民税用の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書の一面です。税務署に提出しましょう。
⑧(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 住民税用 二面
住民税用の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書の二面です。税務署に提出しましょう。
⑨確定申告書B 第一表 控用
確定申告書Bの第一表の控えです。控えの用紙でこの紙だけは税務署へ提出し「収受印」を押してもらいます。「収受印」とは、「確定申告書の受付日を証明するもの」です。
確定申告により源泉徴収票の内容に変更が出るため、源泉徴収票を求められた際は、この収受印が入った用紙を提出します。
郵送で手続きを行う方は、収受印の入ったこの用紙を受け取るために、切手を貼った返信用封筒を同封しましょう。
⑩その他の控え書類
上記の収受印を貰う確定申告書Bの第一表の控え以外は提出不要です。
確定申告を行った照明として保管しておきましょう。
⑪提出書類等のご案内
こちらも提出不要です。提出書類についての案内が記載されています。
書類を郵送される方は、右下の「郵送先」の部分を切り離して、封筒に貼り付けて提出に利用できます。
またここに記載されている税務署以外では書類を受け取ってもらえませんのでご注意ください。
⑫住宅借入金等特別控除の添付書類のご案内
こちらも提出不要です。この書類を元に書類をチェックしながら、忘れの内容に提出の準備をしましょう。
【まとめ】住宅ローン控除の確定申告の記入例と必要書類
住宅ローン控除の確定申告の記入例と必要書類についての説明は以上となります。
今回の記入例では医療費控除がなかったので印刷書類にも医療費控除が無いですが、上記の内容と大きく変わることは無いのでこの記事を参考にしていただけると思います。