なんで雲は白いの?雨雲が黒く見える理由もあわせて子供にもわかりやすく解説【ミー散乱】

青空に浮かぶ真っ白な雲を見て、子どもから「なんで雲は白いの?」と聞かれて答えに詰まったことはありませんか。「空はなぜ青いの?」を説明したことがある方ほど、「じゃあ雲はなんで白いの?空と同じ理由なの?」と重ねて聞かれ、困ってしまうかもしれません。

この記事を読めば、子どもの年齢に合わせた答え方はもちろん、雨雲がなぜ黒っぽく見えるのかまで、自信を持って説明できるようになりますよ。

目次

結論!雲が白い理由は「雲粒が大きくて、どんな色の光も均等に散らばるから」

一言で答えるなら

雲は、空にただよう小さな水や氷の粒(雲粒)の集まりです。この粒は太陽の光の色を選ばず、どの色も同じくらい散らばらせる性質を持っているため、いろいろな色の光が混ざり合って白く見えるのです。

今度雲を見かけたら、お子さんと一緒に「雲って何でできているんだろうね?」と話してみませんか?

とはいえ、このまま子どもに伝えても少し難しいですよね。まずは、子どもの年齢に合わせた「すぐ使える答え方」を見ていきましょう。

5歳の子どもにも分かるように言うなら

【こう教えてあげよう!】
「雲はね、空にういている小さな小さな水のつぶが、いっぱい集まってできているんだよ。そのつぶに太陽の光があたると、どんな色の光もみんな仲良くあちこちに散らばるから、いろんな色が混ざって真っ白に見えるんだよ」

小学生に言うなら

【こう教えてあげよう!】
「太陽の光は、本当は赤・青・緑などいろんな色が混ざってできているんだよ。雲をつくっている水や氷のつぶは、光の波の長さ(波長)と同じくらい大きいから、色によって散らばりやすさに差がほとんど出ないんだ。だからどの色の光も同じくらい散らばって混ざり合うから、雲は白く見えるんだよ。この現象は『ミー散乱』と呼ばれていて、空が青く見える仕組み(レイリー散乱)とは別のしくみなんだよ」

それでは、大人にもわかりやすく、さらに詳しく解説していきますね!

【大人向け解説】雲が白く見える「ミー散乱」の仕組み

ここからは、パパ・ママ向けの詳しい解説です。子どもに「なんで色が混ざると白くなるの?」と深掘りされたときに備えておきましょう。

雲粒は光の波長より大きいから、どんな色の光も均等に散らばる

雲の正体は、空気中に浮かぶ小さな水滴や氷の粒(雲粒)の集まりです。この雲粒の大きさは、太陽の光(可視光線)の波長とほぼ同じか、それよりも大きいのです。

出典:名古屋大学宇宙地球環境研究所(ISEE)「気象50のなぜ+10」34. 雲はなぜ白い? 空はなぜ青い?
https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/50naze/meteorology/34.html

対して、空の青さをつくる大気分子(酸素や窒素)の大きさは、可視光線の波長の約1000分の1しかありません。この「粒の大きさの差」こそが、空と雲で見え方が正反対になる最大のポイントなのです。

雲粒のように光の波長と同じくらい大きな粒に光が当たると、色(波長)によって散らばりやすさに差がほとんど出ず、どの色の光も同じように四方八方へ散らばります。空を青くする「波長の短い光ほど強く散らばる」レイリー散乱とは仕組みが異なり、この現象は一般に「ミー散乱」と呼ばれているのです。

出典:気象庁「雲・大気現象・大気光象について」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq13.html

色ごとの散らばりやすさに差がないまま、赤・青・緑などいろいろな色の光が均等に混ざり合って目に届くと、光は白色として見えます。だから、晴れた日に見える雲は白く見えるのです。この「ミー散乱」という用語は、気象研究者の荒木健太郎氏の著書『すごすぎる天気の図鑑』でも使われている呼び方です。

出典:国立国会図書館レファレンス協同データベース「なぜ白い雲と黒い雲があるのか」(吹田市立中央図書館 作成・回答)
https://crd.ndl.go.jp/reference/entry/index.php?id=1000356309&page=ref_view

雨雲が灰色や黒っぽく見えるのはなぜ?

雲が白く見える仕組みがあるのに、雨雲はなぜ黒っぽく見えるのでしょうか。実は、白く見える仕組みが消えてしまうから黒くなるわけではありません。

雨雲のように厚みのある雲は、雲粒の数がとても多くなります。太陽の光は雲の中に入ると、無数の雲粒にぶつかって何度も散乱・吸収を繰り返し、そのたびに弱くなっていきます。すると、雲の底まで光が十分に届かなくなってしまうのです。

出典:気象庁「雲・大気現象・大気光象について」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq13.html/名古屋大学宇宙地球環境研究所(ISEE)前掲ページ

天気が悪い日ほど雲は厚みを増すため、太陽の光が雲の底まで届きにくくなり、グレーや黒っぽい色に見えるのです。「雨雲はなぜ黒いの?」「雲が灰色に見えるのはなぜ?」と聞かれたときは、この「雲の厚みで光が届きにくくなる」という理由を思い出してあげてくださいね。

実は同じ理由!空が青いのも雲が白いのも「光の散乱」で説明できる

空が青く見えるのも、雲が白く見えるのも、実は同じ「光の散乱」という現象で説明できます。なぜ_空は青いのの記事で紹介したとおり、空が青いのは、大気分子という光の波長よりずっと小さい粒に光がぶつかって起こる「レイリー散乱」が理由でした。波長の短い青い光ほど強く散らばるため、空全体が青く見えるのでしたね。

一方、雲が白いのは、雲粒という光の波長と同じか、それより大きい粒に光がぶつかって起こる「ミー散乱」が理由です。ミー散乱では色による散らばりやすさの差がほとんどないため、どの色の光も均等に混ざり合って白く見えます。

同じ「大気中で光が散乱する」という現象なのに、光にぶつかる粒の大きさが違うだけで、空は青く、雲は白くなるという正反対の結果になるのです。粒の大きさひとつでこんなに見え方が変わるなんて、大人でも思わず「なるほど!」とうなってしまいますよね。

出典:名古屋大学宇宙地球環境研究所(ISEE)「気象50のなぜ+10」34. 雲はなぜ白い? 空はなぜ青い?
https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/50naze/meteorology/34.html

空と雲、両方の「なんで?」がつながったところで、今度は親子で実際に体験してみましょう。

親子でやってみよう!コップの水と牛乳で「雲が白くなる仕組み」を再現しよう

言葉だけで説明するよりも、実際に目で見て確かめると、子どもの理解はぐっと深まります。おうちにあるコップと牛乳を使って、雲が白くなる仕組みを再現してみましょう。

  • 透明なコップに水を入れ、牛乳を1〜2滴たらします。
  • 懐中電灯(スマホのライトでも大丈夫です)を横から当てて観察してみてください。
  • 牛乳が少ないうちはうっすら青みがかって見え、牛乳を少しずつ増やしていくと、だんだん白く濁って見えるように変化していきます。

「牛乳の粒がどんどん増えるほど、どの色の光も同じように散らばって混ざり合うから、白く見えてくるんだよ。雲も同じで、粒が大きいから白いんだよ」と、結論に結びつけて伝えてあげましょう。牛乳が薄いときに少し青っぽく見えるのは、粒がまだ小さいためにレイリー散乱に近い現象が起きているサインでもあります。

「薄いときは空みたいに青っぽいね」と話すと、空の記事の内容にも興味を広げられますよ。

晴れた日の白い雲と、雨が降りそうな厚みのある灰色っぽい雲を親子で見比べてみましょう。「どっちが厚そうかな?」「厚いほうが黒っぽく見えるね」と話し合うだけでも、立派な観察になります。

今度お天気の日に、コップの中で小さな雲を作ってみませんか?

まとめ:雲が白いのは「雲粒が大きいから、どんな色の光も均等に散らばる」から

雲が白く見えるのは、雲粒という光の波長と同じか大きい粒に光が当たり、どの色の光も均等に散らばる「ミー散乱」が起きているからでした。空はレイリー散乱で青く、雲はミー散乱で白く見えます。粒の大きさが違うだけで、結果が正反対になるというのが、この記事でいちばんお伝えしたい発見です。

名古屋大学宇宙地球環境研究所(ISEE)、気象庁、国立国会図書館レファレンス協同データベースという信頼できる情報をもとにまとめているので、安心してお子さんに教えてあげてくださいね。今度、空を見上げたときに、「雲と青空は、光にぶつかる粒の大きさが違うだけなんだよ」と話してみませんか?

参考資料

名古屋大学宇宙地球環境研究所(ISEE)「気象50のなぜ+10」34. 雲はなぜ白い? 空はなぜ青い?
https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/50naze/meteorology/34.html
気象庁「雲・大気現象・大気光象について」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq13.html
国立国会図書館レファレンス協同データベース「なぜ白い雲と黒い雲があるのか」(吹田市立中央図書館 作成・回答)
https://crd.ndl.go.jp/reference/entry/index.php?id=1000356309&page=ref_view

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この記事を書いた人

「なんで?なるほど!大図鑑」を運営している yasuki(なぜブログ編集部)です。学会発表の経験もありつつ、普段は6歳と9歳の息子がいる2児の父として奮闘しています。
このブログを始めたきっかけは、子どもから「なんで〇〇なの?」と聞かれたときに、うまく答えられなかった自分自身の経験です。その場でごまかしてしまったり、スマホで慌てて調べたりしたことが何度もありました。
同じように「子どもの『なんで?』に困った」という方の悩みを、このブログで解決できたらと思っています。記事を読んだあと、お子さんに誇らしげに教えてあげられる方が1人でも増えるように。
それが「なんで?なるほど!大図鑑」の願いです。

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