なんで葉っぱは秋に赤くなるの?イチョウが黄色くなるのとは仕組みが違う理由を子供にもわかりやすく解説【2024年最新研究・寒暖差との関係も】

紅葉狩りや通園・通学路の並木道で色づいた葉っぱを見て、子どもから「なんで葉っぱが赤くなるの?」と聞かれて困ったことはありませんか?「イチョウは黄色いのに、モミジはなぜ赤いの?」と重ねて聞かれると、ますます答えに迷ってしまいますよね。

この記事を読めば、子どもの年齢に合わせたすぐ使える答え方はもちろん、「赤(紅葉)と黄色(黄葉)は実は仕組みがまったく違う」という大人も驚く対比や、2024年の最新研究、紅葉狩りの計画にも使える寒暖差の豆知識まで、まとめてわかるようになりますよ。

目次

結論!葉っぱが秋に赤くなる理由は「寒くなると葉が新しく赤い色素(アントシアニン)を作るから」

一言で答えるなら、葉っぱが秋に赤くなる理由はこれです

秋になって寒くなると、葉っぱが今まで持っていなかった赤い色を新しく作り出すから、紅葉した葉っぱは赤く見えるのです。

今度、紅葉した葉っぱを見かけたら、お子さんと一緒に「この赤い色、葉っぱが新しく作った色なんだよ」と話してみませんか?

とはいえ、このまま子どもに伝えても少し難しいですよね。まずは、子どもの年齢に合わせた「すぐ使える答え方」を見ていきましょう。

5歳の子どもにも分かるように言うなら

【こう教えてあげよう!】
「葉っぱはね、寒くなってくると、葉っぱの中で新しい赤い色を作り始めるんだよ。もともとあった緑の色がだんだん消えていって、代わりに新しい赤い色が増えていくから、葉っぱが赤くなるんだよ」

小学生に言うなら

【こう教えてあげよう!】
「葉っぱの中には、緑色のもとになっている『クロロフィル』という色のつぶが入っているんだ。秋になって寒くなると、このクロロフィルがだんだん分解されてなくなっていくよ。それと同時に、モミジやカエデの葉っぱの中では『アントシアニン』という赤色のつぶが新しく作られ始めるんだよ。実はイチョウが黄色くなるのは、これとは少し違う仕組みなんだ」

それでは、大人にもわかりやすく、さらに詳しく解説していきますね!

【大人向け解説】紅葉(モミジ)と黄葉(イチョウ)、色が変わる仕組みの違いを詳しく解説

ここからは、パパ・ママ向けの詳しい解説です。子どもに「イチョウとは何が違うの?」と深掘りされたときに備えておきましょう。

秋になると葉はなぜ色づく?黄色は「隠れていた色」、赤は「新しく作る色」

秋になって気温が下がり、日照時間が短くなってくると、葉っぱは冬支度を始めます。まず葉の付け根(葉柄の根もと)に「離層(りそう)」というコルクのような仕切りができ始め、葉と枝の間で水や養分をやり取りする通り道が少しずつふさがれていくのです。

出典:日本植物生理学会「植物Q&A 落葉と気温の変化」
https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=3159

離層によって物質のやり取りが妨げられると、葉の中では光合成に使われる緑色の色素「クロロフィル(葉緑素)」が分解されて少しずつ失われていきます。

イチョウなど黄葉する木では、クロロフィルの緑が薄れることで、春から夏の間にすでに葉の中にあった黄色の色素「カロテノイド」が目立つようになり、葉が黄色く見えてくるのです。つまり黄色は秋に新しく作られる色ではなく、もともと葉の中に隠れていた色というわけです。

出典:東京大学「素朴な疑問vs東大 秋にモミジが赤くなるのはなぜ?」樋口裕美子氏(東京大学大学院理学系研究科)
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/features/z1304_00190.html

一方、モミジやカエデなど紅葉する木では、黄葉とは仕組みがまったく異なります。クロロフィルが分解されていくのと並行して、赤色の色素「アントシアニン」が秋になってから新しく作られ始めるのです。

カロテノイドのように「もともと隠れていた色が出てくる」だけの黄葉と、「一から新しい色素を作り出す」紅葉――これこそが、赤と黄色で色づく仕組みがまったく違う理由なのです。

出典:東京大学 前掲ページ/日本植物生理学会「植物Q&A 紅葉現象」
https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=388

ちなみに、離層の形成がさらに進むと、植物ホルモンの一種「エチレン」の働きで葉と枝をつなぐ組織が最終的に切り離され、葉はやがて落ちていきます。色づきから落葉まで、実はひとつながりの冬支度だったのです。

なぜわざわざ赤い色素を新しく作るの?まだ解明されていない3つの説

ここで新たな疑問がわいてきます。黄色はもともとあった色が出てくるだけなのに、なぜ紅葉する木はわざわざ手間をかけて赤い色素を新しく作るのでしょうか。実はこの理由は今も研究が続いている自然の謎で、いくつかの説が唱えられています。

長年もっとも有力とされてきたのが「葉緑体を守るための日傘説」です。秋になりクロロフィルが減って光合成の力が落ちた葉に、それでも強い太陽光が差し込むと、葉が使い切れない光エネルギーから活性酸素が発生し、細胞を傷つけてしまいます。アントシアニンは太陽光のうち青〜緑の部分を吸収する性質を持つため、この余分な光から葉緑体を守る日傘のような役割を果たしていると考えられています。

出典:日本植物生理学会「植物Q&A 紅葉現象」
https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=388

もうひとつ紹介されているのが「虫への警告説」です。赤色は、秋に産卵しようとするアブラムシなどの害虫に対して、「この葉は栄養価が低い、あるいは防御物質が多い」という警告のシグナルになっている可能性があるという説です。

出典:東京大学「素朴な疑問vs東大 秋にモミジが赤くなるのはなぜ?」樋口裕美子氏(東京大学大学院理学系研究科)
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/features/z1304_00190.html

さらに2024年、森林研究・整備機構 森林総合研究所がハウチワカエデを使った実験から、新たな説を示しました。秋になると葉はデンプンを作るのをやめ、窒素などの栄養分を回収し始めます。

このとき、光合成でできた糖の行き場がなくなって葉の中に余り、糖の濃度が上がりすぎると、早期の落葉や活性酸素による障害が起きやすくなることがわかったのです。アントシアニンはこの余った糖を材料にして作られる物質で、糖を消費しながら液胞にため込むことで糖の濃度の上昇を抑え、早すぎる落葉と酸化ダメージの両方を防いでいると考えられています。

出典:森林研究・整備機構 森林総合研究所「紅葉もたらす色素、デンプンに代わって糖上昇抑え早期落葉回避」2024年7月29日
https://www.ffpri.go.jp/research/saizensen/2024/20240729.html

日傘説、虫への警告説、2024年の糖濃度調整説――赤い色素の役割にはいくつもの説があり、まだ完全には解明されていません。身近な紅葉の赤に、今も研究者たちが挑み続けている謎が隠れているなんて、大人でも思わず「なるほど!」とうなってしまいますよね。

紅葉が鮮やかになるかどうかは「寒暖差」に大きく左右される

紅葉の色の鮮やかさには、実は寒暖差が深く関わっています。太陽の光が強い(よく晴れている)こと、凍るほどではない程度の低温、軽い乾燥(水ストレス)という条件が重なると、葉緑体にとって光エネルギーが余りやすくなり、アントシアニンの合成が進みやすくなるのです。

日中はよく晴れて光合成が盛んに行われ、朝晩は気温がぐっと下がる――そんな寒暖差の大きい秋ほど、葉の中で糖がたくさん作られる一方でその消費や移動は抑えられるため、アントシアニンの材料が豊富になり、紅葉が鮮やかになりやすいのです。「今年の紅葉はきれいになりそう?」と予想するときの、ちょっとした豆知識として覚えておくとよいでしょう。

ちなみに、気象庁は全国の気象台で「生物季節観測」として、ウメ・サクラ・アジサイ・ススキ・イチョウ・カエデなどを統一した基準で観測しています。対象の木(標本木)の葉の大部分が色づいて緑がほとんど見られなくなった最初の日を「紅(黄)葉日」と呼んでおり、ニュースで耳にする「紅葉前線」という言葉も、こうした観測にもとづいています。

出典:気象庁「生物季節観測の種目・現象の変更について」2020年11月10日
https://www.jma.go.jp/jma/press/2011/10a/20201110oshirase.pdf

仕組みがわかったところで、今度は親子で実際に紅葉を観察してみましょう。

親子でやってみよう!紅葉の色のひみつを観察・体験しよう

言葉だけで説明するよりも、実際に目で見て確かめると、子どもの理解はぐっと深まります。紅葉狩りや近所の散歩で、ぜひ親子で試してみてください。

【やってみよう①】
紅葉狩りや公園の散歩で、モミジ・カエデ(赤)とイチョウ(黄色)の落ち葉を数枚ずつ拾って並べてみましょう。「赤い葉っぱは新しい色を自分で作った葉っぱ、黄色い葉っぱはもともと隠れていた色が出てきた葉っぱなんだよ」と、本編の結論に結びつけて伝えてあげてください。
拾った葉を図鑑などの重い本に挟んで数日間置いておくと、押し葉として色が記録に残り、自由研究にも使えます。声かけの例は「この赤い葉っぱと黄色い葉っぱ、同じ『紅葉』でも色が変わる理由が違うの、知ってた?」です。

【やってみよう②】
同じ木、または近くの木で、まだ緑色の葉っぱ・色づきかけの葉っぱ・すっかり赤や黄色になった葉っぱを探してみましょう。緑から色づきかけ、赤または黄色へと変化していく途中段階を観察しながら、「この葉っぱ、これから赤くなると思う?黄色くなると思う?」と予想して話し合ってみてください。

【やってみよう③】
天気予報で朝晩の気温差をチェックして、紅葉狩りに出かける日を家族で相談してみるのもおすすめです。「今週は朝と昼の気温差が大きいから、紅葉がきれいになっているかも」と予想しながら計画を立てれば、大人向け解説で紹介した寒暖差の豆知識をその場で実践できます。声かけの例は「今日は朝と昼でどれくらい気温が違うかな?気温差が大きいと、葉っぱがきれいに色づきやすいんだって」です。

出典(観察の科学的裏付け):東京大学「素朴な疑問vs東大 秋にモミジが赤くなるのはなぜ?」(黄葉と紅葉の仕組みの違い)
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/features/z1304_00190.html
日本植物生理学会「植物Q&A 紅葉現象」(寒暖差とアントシアニンの関係)
https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=388

今度の休みに、親子で紅葉の色探しに出かけてみませんか?

まとめ:葉っぱが秋に赤くなるのは「寒さで新しい赤い色素を作るから」

葉っぱが秋に赤くなるのは、気温が下がって葉の付け根に離層ができ、クロロフィル(緑)が分解される一方で、新しく赤色の色素アントシアニンが作られるからでした。イチョウなどが黄色くなるのは、もともと葉にあった黄色の色素カロテノイドが目立ってくるだけで、紅葉とは色が変わる仕組みがまったく違うのでしたね。

アントシアニンがなぜ新しく作られるのかは、日傘説・虫への警告説・2024年の糖濃度調整説など、今も研究が続く自然の謎です。身近な紅葉の赤に、こんなに奥深い物語が隠れていると知ると、公園の散歩も一段と楽しくなりますよね。

今度、紅葉狩りや公園の散歩で赤い葉っぱと黄色い葉っぱを見つけたら、お子さんと一緒に「どっちが新しい色を作った葉っぱかな?」と話してみませんか?

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この記事を書いた人

「なんで?なるほど!大図鑑」を運営している yasuki(なぜブログ編集部)です。学会発表の経験もありつつ、普段は6歳と9歳の息子がいる2児の父として奮闘しています。
このブログを始めたきっかけは、子どもから「なんで〇〇なの?」と聞かれたときに、うまく答えられなかった自分自身の経験です。その場でごまかしてしまったり、スマホで慌てて調べたりしたことが何度もありました。
同じように「子どもの『なんで?』に困った」という方の悩みを、このブログで解決できたらと思っています。記事を読んだあと、お子さんに誇らしげに教えてあげられる方が1人でも増えるように。
それが「なんで?なるほど!大図鑑」の願いです。

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